日いずる国の経から紐解く 思金神と布刀玉命

 

紐とき 2 

生命の呼吸と さざれ石

 

 前記事で磐座信仰にふれた、日いずる国の経・七では、銀河の円環を廻る塵のような石に想い投影された私たちの生きる世界のことを記述しました。

 聖書でもアダムは土より作られたとあり、先のダニエル書にもありましたが聖書の世界観ではわれわれは塵から生まれたという事を言及しています。

 この言葉は私たちの住む現代の価値観ではとても受け入れられないかもしれませんが、仏教でもこの世界は仮の世界、仮想的な喩えのような世界だと伝えられてきたのです。

 この輪の中の360度を巡るあらゆる気質は私たちの意識の源、一成る神から呼吸のように流れ出る、銀河のような円環を廻る塵。
 無数の石にあらゆる思いを投影して輝く星々のように、この仮象の世界の中にかつて顕われ、その世界の中にあまりにも長いこと居続けたために心は次第に外側に魅了され内側を忘れて行くかのように、私たち自身の微細な心は次第に粗大な観点から動けなくなってしまい、もともとの本質を忘れてしまったのかもしれません。

 石とは言靈で観れば=意思とも表せます。石である岩の中に閉じてしまった天照大神の天の石屋は思金神(オモイカネ)の智慧から岩戸開きは行われますが、江戸時代の国学者、本居宣長は『古事記伝』のなかで「思金」という語について「数多(あまた)人の思慮(おもんぱか)る智を一(ちをひとつ)の心に兼持てる(かねもてる)意なり」という一即一切と言う語を思いださせるような解釈をしています。

 また、このことは日いずる国の経の十では構造上、情報過多を避けるために言及しなかったのですが、「この日いずる国に経を降ろしに来た」と言われた国を開いた神の現われの後に兄弟への応答の中で、神への疑念や行いにたいしての問いかけにたいして私自身の氣質が少々荒くなり「私が小石を集め投げて、それが落ちて、どのような位置に星が置かれたのかを観るように、私は私によって四方に散った心のありようを、その動きと定められた配置によって知っているし、見ている」布刀玉命にみる太占、ト占や星占術を想起させるような特徴的な表現での返答があったのでした。

 このビジョンの時に私は至高神の御許に在り、この冥府の素の神、石に投射された無数の生命の呼吸のビジョンと共に見出していたのでしたが、思金神と天児屋命、布刀玉命のような神々の波長が多面的に、この同じ常世の時の中で現れていたのでした。

 そして現世である、この私たちの知る世界では思金神は阿智氏布刀玉命は忌部氏へ天児屋命は中臣氏,卜部氏 等の神々の系譜は様々な氏を通じて現代へと確かに引き継がれています。

 このような根本的な宇宙次元の光景が意識の深層にあり、磐座信仰や環状列石と言う顕われの投影として現世では、過去である私たちの未来の面影を鏡のように映し出して、知らしめてくれているのでした。

 実はこの当時、私は仏教やインド神話には目を通していましたが、日本人でありながら古事記の内容や思金神や布刀玉命などの神々をほとんど知らなかったのです。
 そのことから、古事記の内容と言うのは先に自身の神秘体験が先行していた為に、後になってその内容は私にとってより説得力をもって理解することができ、時に愛らしいユーモラスな表現でありながらとても奥深いこの書物に信頼をおくことになりました。    

 また同様にこの観点からみれば、磐座信仰や天磐船神話も道理的に映るのかもしれません。

 古事記に関しては、歴史的な流れの中で時の為政者よってその側の都合に良い解釈に改ざんされているという考察もまれに聞かれますが、神のもと主宰されている世界では常に二極から広がる時の運動があります。

 ヨハネによる福音書、5章には「わたしの父は今もなお働いておられる。」と言う言葉は神の独り子=独神を示した、かつてのファティマヤチンタの言う「隠れたイエス」の言葉ですが、そういった意味でも神の書物と言うものは、仮に時の為政者の働きがあり、局所的にはそうであったとしても竹内文書や宮下文書、九鬼文書などの外典とされる文書、はたまた西側でもみられる新約聖書に対するユダの福音書やトマスの福音書のような外典や死海文書などを含めて、その全ては神の神意、働きの内にあるのかもしれません。

 そして現在では、日月神示にみられる「石屋」について様々な考察が展開されていますが、それは世界の外側にある特定の何かであるのか、石屋とは誰かのことなのか、誰かという存在、想いは何処からやってくるのか、これはまた日いずる国の経・六に紐付けて改めて記事にしようとおもいます。


すべての民に智慧が明らかとなり、すべての魂が迷うことなくどうか神のさざれ石にとどまりますように。

                                  つづく

 

 

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