瑠璃と兎と月下の十

 

 

令和七年 一月十八日 夜

 

ねぇ~パパ、瑠璃ちゃん昨日不思議な夢見たの

夜に海がみえて崖にある神社にパパと行ったの

海は夜だから黒くて・・・
そこには赤い鳥居がいくつもあって、そこをパパと歩いていたんだけど、赤い紐?線のような光線みたいなのがヒューって出てきて道を案内してくれるの

その線は他の人には見えてないんだけど・・・

パパは見えないふりをしてるの

夜なのに他の人がいたの?

いたけど、みんな白い着物きてた、でも着物の着方が逆だったから・・・

それからどうしたの?

それから赤い線を追いかけて歩いて、何カ所か赤い線がクルクルってしてるから瑠璃ちゃんもそこではクルクルっ~て廻ったの!笑

何回くらい廻ったかな?

三回くらい

それでパパと歩いてたら赤い線が消えていって・・・
そしたら急に大きな風が吹いて瑠璃ちゃんコロコロコロって転がっちゃったんだけど反対側からも大きな風が吹いたから、風に挟まれて体が止まって

そしたら風がやんだ

それで止まったところに赤い綺麗な宝石があったの

その宝石は涙みたいな、雫みたいな形してて、縁が黒くて真ん中に向かって赤くなっててピカピカして綺麗だった

宝石の所には、黒目の部分が赤くて真っ白な兎が石の上にちょこんと乗っかってこっちを見てるの

そこから少し先には石の像みたいなのがあるみたいだけど何だかはよくわからなかった

そんな夢・・・

 

瑠璃ちゃんは五歳になるまでは、みんなに見えない不思議なものが見えたり絵を描いたりしてたけど、久しぶりにとても不思議なお話しをしてくれたね

見えないようにしてたから・・・笑

そうなんだ、でも赤い線でクルクルって廻ったのは可愛いね!

あのクルクルってなにかな?

昔は仏様の前でクルクルって廻って礼拝したってパパは聴いた事があるよ。礼拝ってわかる?

何となく・・・

兎さんは可愛いかった?

黒目の部分が赤かったけど可愛いかった
パパ、あの兎さんのこと知ってる?

因幡の白兎って昔話したの覚えてる?

知ってるよ、嘘ついて海を渡って、そのあとに優しい神様に助けてもらった話でしょ

あの兎は、この世界と神国が結ばれるのを手伝ってくれるんだよ

へぇ~そうなんだ!

パパ、あの赤い宝石は?

洗礼と祝福の赤い宝石


瑠璃ちゃん三歳さんの頃、どうして生まれてきたのかパパにお話してくれたの覚えてる?

う~ん、あまり覚えてない

瑠璃ちゃんのお話だと、瑠璃ちゃんはその時も女の人だったけど、どこかの火の見える世界で剣を持った王子と一緒に何かと戦ってたんだって
それで、きりぎりまで王子と一緒に戦ってたんだけど王子が「もう時間がないから母を助けに行きなさい」って言って背中を押されて落っこちてきて生まれて来たんだよ~って、パパに教えてくれたんだよ!

そうなんだ笑 
昨日の夢は何かの予知夢なのかな?

心配?

学校ではみんな夏に大きな地震来るって予知夢の話しをしてるのが心配

大丈夫だよ、パパが子供の頃にも人類が滅亡の危機ってお話があったけどパパ気にしてなかったし大きな出来事はなかったよ
それに2012年も似たようなお話があったけど目に見える部分では起きなかったし

けどパパにとっては2012 年の八月七日の花の日に瑠璃ちゃんが生まれて来てくれたから嬉しかった。
だからパパの世界は大きく変わったけどね

やだな~、地震来るのかな~、お家が伊豆だから海が近いし
けど友達から聞いた話だと、その後には平和になるって言ってた

みんなの心が、これから先に世界が重なって大きく揺れることはあるかもしれないけど大丈夫、乗り越えられるよ

そうなったら、いつ平和になるのかな?

今の天皇陛下のお顔わかるかな?

うん

本当の平和な時代は、今の天皇陛下から次の天皇陛下の時代になって瑠璃ちゃん達の世代から子供が産まれる頃にはじまるかもしれないね

その時までは本当の平和ってこないの?

パパがこれまで読んだ本に、昔のとても清められた尊い本があるんだけど、その清められた本の中では遥か遥か昔の時代に、とても穏やかで平和な時代があったんだって

だけど段々とみんなの心が濁ってきちゃったからルールが必要になってきたんだけど、みんなはそのルールが嫌で「自分たち」でもっと自由な世界を作りたいって思ったみたい。

そこに大自在天神と盤古大神って言う名前の神様がいて

でもこの二人の神様は、本当は大自在と盤古って言う清められた尊い大事な名前を盗んだ、後からやって来た神様の偽物なんだ

でも、この時にはすでに沢山の、みんなの心が濁ってしまっていたから偽物なのがわからなかった、いや、ほんとはわかってたのかもしれないね・・・

それで、みんなは大自在天神と盤古大神に魅了されて、もともといた大神様を追い出してしまったんだって。

パパの知るところでは、この大自在天神と盤古大神は赤い竜に支えられていて
でもこの竜、剣によって赤くなる遥か以前には智恵と純粋さで輝いていたんだ

それでこの大自在天神と盤古大神の考え方は弱肉強食で、この偽神様に魅了される一部のみんなも自分たちのことしか余り考えられない
だから巡り巡って・・・お互い戦いだすんだ

この二大神は本当は二匹の大きな獣のようで、一匹の獣はもう一匹の獣の前で真っ赤な雨を降らせる事が許されているんだって

それでパパの聴くところ、もともといた大神様を追い出してから、人間の住む世界と神の国はもとは一つの世界だったんだけど、それ以降は人間には見えない水に遮られてしまって・・
白い兎さんはこのことを全部知ってるんだけど、今でも自在天神と盤古大神の偽物に魅了されてついて行ってしまった魂の行方を気にかけていて、いつも夜のお月見と一緒に、みんなが同じ過ちを繰り返さないように見守っているんだ
なぜなら白い兎さんは、遥か昔に追い出してしまった大神様のいた時が戻って来るのを知ってるから 

ウサギさん!

その兎さんを瑠璃ちゃんは夢の中でみてきたんだね

パパは何で神様のことを色々しってるの?

パパは実際、何も知らないよ

それでも、全ての命にはそれぞれの役割があって、パパにもママにも、瑠璃ちゃんにも役割がある

心の内に、先に神様があって、そこからみんなの命が流れ出すんだ
だから「自分たち」で世界を創っているのではなくて「自分たち」の心の内にある一成る神様を通じてみんなの命が在ることを知って全てを委ねてお任せしていれば

必要な時に内側の神様を通じて流れ出ているみんなを観ているだけで、自然にその時に必要なことがただやって来て、知らせてくれるものだよ

へぇ~

瑠璃ちゃん、夢のお話ありがとう
今日はもう遅いからそろそろ寝ようか

瑠璃ちゃん今日は久しぶりにパパと一緒に寝ようかな!

あなた、いつも一緒にパパと寝ても「なんかちょっと違うなぁ~」って言って出て行っちゃうじゃないの 笑
(彼女は、寝ている父のおじさんの香りが少々気になるらしいけれど、父を気遣ってそのことは言わない)

今日は大丈夫だよ 笑

 

 

 

 

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